日中友好の世紀

日中国交正常化50年の日を迎えた。戦後、社会主義体制にかじを切った現中国と、昭和の戦争で中国大陸を「侵略」した歴史をもつ日本政府が関係正常化して50年というわけである。この間、中国との関わりの中で対照的な団体が2つある。創価学会と日本共産党だ。創価学会は仏教団体としてインドから中国、朝鮮半島をへて仏教が伝来した歴史を重視し、中国を「文化恩人」としてとらえてきた。それは現在の中国がどのような政治体制にあろうと変わらない。そのためどのような状況になっても、友好関係を崩さないという信念を通してきた。一方の日本共産党は、中国共産党が「政権党」であるのに対し、自分たちは100年たっても政権に入れない共産主義世界における泡沫政党というやっかみも手伝うのか、いまの中国を「社会主義ではない」と規定している。問題は過去には正真正銘の「地上の楽園」のように日本共産党が中国共産党統治下の中国を描いていた事実があることだ。その意味ではまったく首尾一貫していない姿勢といえよう。

日本と中国は古代から交流を結び、よい時代も、不幸な時代も変わらず「隣人」である。同じ人間として、今後とも友好関係を結び続けるというのが双方の利益につながることは言うまでもない。その意味では、相手がどのような立場にあろうと姿勢を崩さないという創価学会の姿勢のほうが、隣人としては正しいと思う。ただしそれは相手の非をまったくただすことなく、言いなりになるという意味ではない。人間同士の関係と同じく、本当の友人は、必要なときには相手の欠点をズバリと指摘し、その上で友人関係を崩さないという姿勢を堅持する。国と国との関係も、身近な人と人との関係に置き換えて変わりないものと信じる。

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