共産主義の弊害

ロシア革命に始まり、多くの国々に影響をもたらした「共産主義」は、いまも世界の弊害としてその象徴となっている。ウクライナ戦争を起こしたロシア、覇権主義を強める中国、核兵器で生き残りを図る北朝鮮。いずれも社会主義国として、数10年前には「兄弟党」「兄弟国」として、米国を中心とした資本主義陣営よりも「優位」とする立場を誇ってきた国々だ。日本においては日本共産党がその役割を担い、共産主義革命を虎視眈々と狙ってきた。だが彼らが喧伝した理想社会の実現はまやかしにすぎず、そのことを途中で悟った日本共産党はソ連、中国と早期に断交し、いまは「自主独立の党」を名乗っている。だがその日本共産党も、もともとの出自はソ連にあり、ロシア共産党なしには存立しなかった。また同党の100年の党史の半分はソ連隷属の歴史にほかならない。いまさら「自分たちだけ特別の存在」などと理論武装してみたところで、説得力はゼロに近い。共産主義は、人の命を結果的に手段化するので、人間中心の国家運営とはならない。多くの餓死者を生んだこともあるし、いまも覇権主義の主たるプレイヤーだ。民主主義国の概念とは正反対の存在といって差し支えない。この主義の弊害は、アジアにおいて一層顕著になっている。もちろん、ロシア、中国、北朝鮮の人民・国民が悪いわけではない。その政治体制のシステムに矛盾が最初から内包されているというほかない。共産主義国の暴走は、いやまして鋭い監視が必要な時代となっている。

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