中国「共産主義体制」の限界

最近あるテレビ番組で万里の長城付近にあったかつての日中戦争時代の旧日本軍人の遺骨の身元が確認され、日本の遺族のもとに返還された出来事が映されていた。中国側で尽力したのは善意の民間人で、オンラインで日本の遺族と対面し感謝の言葉を述べると、中国側の民間人が同じ人間として不思議な縁を語り、双方涙ぐむ場面が心を打った。「同じ人間」として、祖先の遺骨を大事にする心情。そこに国家や国籍の壁はない。これが本来の日中両国のあり方の基本であって、現在の国家間の大枠の関係のほうが異常だ。その原因は、中国の共産主義という「体制」にこそある。独裁国家でなければもはや統治することのできない現状。さらにその独裁体制は、多くの人権を破壊し、国家を暴走させている。習近平という一人の権力維持という名の「保身」のもとに、世界がおかしくなっていく矛盾。その根源は、共産主義体制にこそある。独裁主義から、人間主義へ。心ある人びとは日本国内の極右の感情的・煽情的な動きとは一線を画しつつ、自らの声を上げるべきだ。悪いのは中国という国家や国民ではなく、現代中国の体制にこそあると。

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