安倍晋三元首相殺害事件が思わぬパンドラの箱を開けてしまった。安倍シンパの文化人らは当初は犯人像を左翼で、安倍批判者で、森友加計問題などで批判していたような類型を想像あるいは望んだようだったが、実態は逆だった。右翼的傾向をもつ人物で、反社会性団体に家族関係を壊され、団体を逆恨みした人物による犯行だったからだ。その反社会性団体と安倍元首相は祖父の代から密接な関係をもっていた。さらに自分が政権をとった以降は、この団体の名称変更に手を貸し、ビデオメッセージに登場さえしてバックアップしていた。元首相が生きていたら、どのように「弁解」しただろうか。種々の状況、経緯のいずれから見ても、安倍元首相がこの反社会性団体を肯定的に支援した事実(ファクト)は、消し去ることができない。それでも安倍元首相は問題ないなどといっている文化人やジャーナリストは、単なる安倍ポチか、安倍信者としての妄想癖者のレベルにすぎない。この問題は秋の臨時国会でも主要なテーマとなりそうだ。政権与党が知らぬ存ぜぬで済ませられる問題ではない。安倍政治が残した「正面から説明しない」有権者軽視の傲慢は、そろそろ転換すべき時ではないのか。