重信房子と日本共産党

日本赤軍の重信房子元受刑者が刑期を終えて出所した際、自分のことをテロリストとは思っていないといったことを語っていた。主観的な認識と客観的なそれとの大きな乖離を感じたが、無差別殺人を行えば、それはテロにほかならない。彼女の主張を聞いていると、日本共産党が過去に行ったテロ活動を「あれは別の分派が行ったことで今のわが党とは関係ない」という屁理屈と共通したものを感じた。要するに、自分が、あるいは自分たちがテロリズムに手を染めた過去の事実を認めようとしない態度で共通しているからだ。もちろん片方からみればテロ行為にみえても、片方から見れば英雄的行為ということはありえる。それでも人のいのちを手段とした事実は消しようがない。こうしたことに教訓を得て、日本共産党はその後の路線を大きく転換して現在にいたる。日本で暴力革命は存立しないと達観した当時の党最高幹部が、平和強調路線にカジを切ったからだ。その結果、日本共産党は世界において「異形の共産主義」となっている。褒めているわけではない。二枚舌を駆使していると見ているのだ。とはいえ、平和路線を歩もうとする日本共産党を私は否定するつもりはない。平和勢力の範疇に入れるべきだと思う。だが同党の本質がそこにないことも、よくわかっているつもりだ。

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