人間主義と動物主義の戦い

日本の本当の危機は何なのか。中国がまるでロシアがウクライナにしたかのように日本に侵攻するように煽り立てる論者がいるが、とんでもない。むしろ中国のゼロコロナ政策の失敗による世界経済への影響、さらには日本特有の大地震等の災害リスク、さまざまな要因から発生する可能性のある食糧安全保障リスクのほうがよほど大きいな脅威と考えられる。要するにウクライナ危機というわかりやすい目先の事例にとびつき、日本をかつての軍事強国路線に戻すことを夢想する人間らが蠢いているのが現実の姿だ。問題は、自然災害や食に関する危機が発生した場合、いやおうなく国境を超えて「助け合う精神」が必要になるということだ。あたかも隣国を敵国であるかのように固定化して見る人間の心性は、およそスズメバチなどの昆虫や動物レベルの心性でしかない。人間の智慧、人間の善性は、動物の心性とは本質的に次元が異なるものだ。協調姿勢のもと、助け合う社会。そうした世界を創出すべく先導するのが、本来の日本の役割であろう。動物主義は、人間性が敗退した姿である。

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