権力を抑制的に使う難しさ

本日付の毎日新聞に「初の女性市長をしのぶ」と題するコラムが掲載されていた。全国初の女性市長として当時注目された兵庫県芦屋市の北村春江元市長が亡くなったことに関する記事である。当時、珍しい女性市長として注目され、次の市役所人事で女性を大幅登用するのではないかとの周囲の期待とは裏腹に、例年並みの人事だったことについて、当時の同市長は「女性職員は十分な幹部教育を受けていない。まずは教育体制の整備から」と語った逸話などを紹介している。権力を執行する立場になったとき、その権力をどのように使うかは当該人物の政治への姿勢が大きく影響する。権力を抑制的に使える人は、結局のところ、思慮深い人格と裏腹の関係にある。反面、自分さえよければよい、今さえ安泰であればよいと考える刹那的なタイプの指導者は、身内びいきに偏りがちだ。近年もそんな特徴的な政権があった。私は若いころ、業界紙で「市長探訪」の連載取材を担当した時期がある。当時、北村市長にもお会いした。奇をてらうことのない、地道な人柄であったことを思い出す。

火論:初の女性市長をしのぶ=大治朋子 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

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