デマを使って商売する作家らの連帯

単行本と文庫本合わせて累計116万部突破などと新聞で大きく広告を出していた『日本国紀』という書籍が歴史の重要な部分で意図的な誤りがあり、小さなところでもさまざまな矛盾を指摘されている代物であることは物事をある程度知っている人ならもうわかっている。この本を買って有り難がっているような人たちはそんな認識を持てないままでいる人に限られる。もちろん歴史をパロディ化して、自分の脳内で自由に改変し、面白おかしく読んでもらう。そういうマーケットが存立する余地を否定する者ではないが、その場合はきちんと「パロディ日本史」とわかるように商品提示すべきだろう。だがこの書は違う。一般の歴史本のような体裁で読者を騙す。食品でいえば、まずい味なのに、うまいとだまして売りつけるようなもので、完全に「詐欺商法」の範疇に入る。それでも売れればいい、自分さえよければいいという生き方をしていれば、それも平気に振る舞えるということだろう。こうした商売方法を重ねる人間は、やはり同じような行動をとる人間と親和性が高い。要するにその人物を評価するには、付き合っている人間のレベルを見ろ、というのは古今東西、普遍的真理の一つであることがわかる。上記本の作者と昨日、仲良くネットテレビに出演し、事後に誕生祝いのケーキを仲良く頬張ったと発信した人物も、かつては「捏造記者」として名をはせ、いまも似たような行動をとり続けている御仁だ。「デマを使って商売をする」。厚顔無恥な生き方を現在のわれわれに、さらに後世の人びとのためにわかりやすく残してくれている。日本人の反面教師として、彼らは生きてくれている。彼らにはますますわかりやすい「仕事」を残してほしいと念願する。

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