人の弱みにつけこんで自己増殖を図る政党

日本共産党が都議選向けに東京五輪の中止を選挙公約に掲げた行動に驚いている。病院関係者などを中心に世論の多くが中止に傾いていることは事実だが、この判断には世界を俯瞰した先行きを見通す洞察力と、プラスとマイナスを比較考量する高度な政治判断を要する問題だ。確かに現政府のコロナ対策は「無策」であり、「敗戦」に近いことを個人的には認める。自衛隊の元最高幹部が「危機管理がなっていない」と首相をあからさまに批判するのも心情的には理解する。ただしようやく日本でもワクチン接種が本格的に始まる。すでに接種率が高い国では日常生活に戻る事例が増えている。日本はこれからその状況に向かう段階だ。当然ながら、五輪を開催することははなからわかっていたわけだから、政府が先回りしてワクチンを確保し、早期にそうした事態に進める「最大の責任」があったことは事実だ。その意味で「ワクチン敗戦」と呼ばれる事態は、現政府が負うべき問題だが、これから先のことは別問題だ。7月末ごろには感染拡大は止まるという予測もある。ぎりぎり五輪開催に間に合うという意見もある。そうした状況を見据えて政治を行うのが「与党」であり、なんでも反対でやっていける「万年野党」との違いだ。私は冒頭のこの公約こそ、日本共産党の体質をそのまま体現したものであり、このような政党が与党に入ることに反対する。これは都議選ではなく、総選挙の選択に関する話である。

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