25年前の2月15日。信平狂言事件が始まった日だ。創刊40周年を迎えた週刊誌が特集号で裏付けのないキャンペーンを始めた。編集部に企画を持ち込んだのは顧問先を恐喝して資格を失った元弁護士の山崎正友とされる。週刊誌側はこの事件で大騒ぎする意図から、わざわざ民事訴訟まで起こさせ、週刊誌記者は弁護士を紹介までしていた。この記者の名を門脇護という。裁判は「訴権の濫用」として却下される事態につながった。世紀の大虚報といわれるゆえんである。この記者は現在、門田隆将というペンネームでノンフィクション作家として活動している。昨今はアメリカ大統領選挙で、トランプ前大統領の意図をもった虚言を鵜呑みにし、そのまま日本で垂れ流した。25年前もいまも、やっていることは同じである。事実であるかどうかを精査する能力がはなはだ乏しく、自分の思い込みだけで突っ走る。そうしてその責任を最後まで認めることもない。山崎とトランプは、良心の呵責をもたない特異人格という明確な共通項があった。トランプに至っては、ワシントン・ポスト紙が調査したところでは4年の任期中、3万回ものウソをついたという。山崎も似たような人格で知られていた。特異人格者であるサイコパスに、1度ならず2度までも踊らされた「ジャーナリスト」=「作家」。その迷惑な行動ぶりは、歴史に刻印されてしかるべきだろう。