日本のトランプ信者は物事が見えていない

トランプ大統領が世界政治の最前線から姿を消してせいせいしている人は多いと思われる。私もその一人だ。一方、トランプが中国の脅威を抑止していたので、バイデン大統領になってそれが危険にさらされると考えているのが日本のトランプ信者の考え方のようだ。だが彼らは決定的に間違っている。

トランプは気候変動問題にも何ら関心なく、国際協調主義とは対極にあった。自分一人で好き勝手に振る舞っていただけである。一方、バイデン政権は「国際協調主義」という伝統的な振る舞いをとっている。目下の地球の最大の問題は、中国問題というよりも、地球規模の問題なのだ。その意味で、気候変動問題を第一の課題に据えたバイデン政権は明らかに正しい。

また中国の覇権主義を封じ込めるには、アメリカが一国で突出して行うより、民主主義国が協調して行うほうがずっと好ましい。共産主義の一党独裁的手法の政治は、もはや世界では通用しない。自国内でそれを行っている分は自由だろうが、それを他国にも及ぼすとなると、即座に手を噛まれることになるのも明らかだ。

中国が尖閣に手を出せば、日本の世論はただでは治まらない。日本人は激しやすい民族と私は考えている。中国にとって、それは望ましい結果にはならないだろう。

世界の先進国は、中国をいかにして「民主化」というソフトランディングの道に導くのか、そこを真剣に考えたほうがよい。そのためには共産党幹部らの身分保障、財産保障も必要かもしれない。このまま中国が「覇権主義」を貫けば、いずれ早晩、かの国の現体制は行き詰まる。

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