中国に塩を贈りつづける櫻井よしこ

1937年12月の南京陥落に伴う旧日本軍による不法殺戮行為(いわゆる南京大虐殺とよばれるもの)は歴史的には学問としてもすでに定着している。事実のものとして、認定されているのだ。その数は少なくとも数万人のレベルであったことは間違いないものとされている。それでいながら、日本の右派勢力の中にはこの事実をいまだに認めない存在がある。2004年11月に創刊された月刊誌WiLL(当時の編集人・花田紀凱)はこの問題を改めて取り上げ、上記の歴史的事実が存在しないかのような「プロパガンダ」を繰り返し、お粗末な書籍すら出版した。これはファクトに基づくのではなく、自らの「運動」に沿う形で金儲けを図っただけの姿だが、日本の言論人のレベルはこの程度のものという証左といえる。その花田を「私のパートナー」と公言するジャーナリストの櫻井よしこにおいては、いまだに自らの著作で「濡れ衣」などの言葉でこの事件を否定し続ける。その結果、この問題は中国の「カード」になりえている実態がある。遠い過去の日本軍の非行であり、事実としてきちんと認め、未来の教訓にしていくという姿勢を日本側がとるならばそれで「終わってしまう」問題であるにもかかわらず、潔さをもたない日本人らしくない一部の人間の行動によって、いつまでも政治問題化して扱われているのが実情だ。ほんとうの「国賊」がだれであるかは、もはやはっきりしている。

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