政治にウソを根付かせた大罪

ウソつきは泥棒の始まり――。日本人が幼少のころから聞かされる道徳的な言葉だ。この言葉からすると、トランプ大統領は相当な泥棒と思える。4年間、失業率の低下、戦争を起こさなかったなどの政策を評価する声がある一方、アメリカは本日でコロナ死者が30万人を突破した。これはひとえに「トランプ無策」の結果だが、戦争で死のうが、病気で死のうが、自国民を見殺しにしたという「結果責任」は同じである。主要国の政治指導者の中でトランプ氏ほど自国民のいのちを粗末にした者もいないだろう。

現在、トランプ氏が選挙の敗北を認めない最大の理由として、退任後、さまざまな犯罪で自身や家族か訴追される事態を恐れているというものがある。要するに嘘つきから転じた「大泥棒」として裁かれるのがこわいのだろうか。

ひるがえって、トランプ氏と親密な関係を結んできた日本の安倍晋三前首相も、この国の政治にウソを根付かせた張本人だった。ウソにウソを重ねた結果、いまでは秘書や自身が東京地検特捜部の捜査を受ける立場にある。これも嘘つきが泥棒として裁かれることの始まりであろうか。

ともかく、政治に、ウソの土壌を根付かせる以上の大罪はない。日米で同時進行で行われた政治上の数々の自殺行為に、有権者が鈍感であってはならない。

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