南京陥落から83年

日中戦争が始まった1937年、首都南京を陥落させてから83年となる。日本は相手の首都を落とせば戦争は終わると楽観視し、前線に十分な補給もないまま遮二無二進軍させた。結果、現地住民への「略奪」「性加害」が横行。“レイプ・オブ・ナンキン”の言葉も後に生まれた。この無理な行動によって起きたのが、数万人規模の不法殺戮行為だった。もっとも日中戦争全体の死亡者数の中で、この数万人規模というのは小さな比率にすぎない。そのため当初は国民党政府も共産党政府も大きな問題とはしていなかった。だが日本の一部右翼勢力がこの不法殺戮行為を正式に認めず、過小評価する姿勢を鮮明にしてから、中国共産党のプロパガンダに使われるようになり、歴史問題として今にいたる。この問題は当時の日本軍当事者ですら認めている事実であり、現在も櫻井よしこのような“自称愛国者”がこの事件の存在を認めない頑なで潔さをもたない態度をとっているため、中国側のカードとして使われ続けている。いずれにせよ、旧日本軍が国際法に違反した大量不法殺戮を行ったことは歴史の事実であり、いまに生きる日本人は、歴史的事実は事実として認識し、未来への教訓とせねばならない。

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