3人の元創価学会本部職員が起こした裁判

 元創価学会職員3人のブログなるものがメディアで何度か取り上げられている。私はブログで最初に彼らの文章を読んだときに、さまざま池田名誉会長の思想を語り、それを実践しようという行動は書かれているものの、肝心の教団を解雇・除名された「理由」について明確に書かれていないことがずっと気にかかっていた。その後、私が目にしたメディアは『週刊ダイヤモンド』だったと思うが、そこでも腑に落ちるような説得性のある理由(=原因)は明示されていなかった。
 調べてみると、彼らはすでに創価学会に対して何件も裁判を起こしている。一つは解雇無効を訴えるもので、2012年に提訴され、昨年10月、請求棄却で最高裁にて確定している。その上で彼らは今年3月になって、職場で配転命令が不当な動機でなされたなどと理由をつけ、今度は損害賠償を求める裁判を教団に対して起こし、現在、進行中だ。教団側はすでに決着のついた裁判の蒸し返しにすぎないと反論している。
 この問題はもともと、教団の学生部、地域的には神奈川県川崎市の組織から生じている。2002年ごろ、彼らの中に「足軽会」という任意のグループがつくられ、固い結束を誇ってきたという。足軽会の中心者が当初のころに構成メンバーに送ったメールには、「抜けることは許されない」「抜けることを認める同志は叩き潰す」などと書かれていて、その際のメンバーは12人ほどだった。3人はその12人に含まれていた人々である。彼らは年数回、研修旅行や懇親会を行うなど組織内組織を形成。「法」を根本とした行動ではなく、特定の「人」を中心としたカルト的グループとして機能するようになっていったようだ。それがこの問題の根底にあるように思われる。
 彼らの異様なまでの頑なさは、法を基本とするのではなく、特定個人の“意向”に恭順するカルト的体質に根ざしていると感じとれる。表面的な主張・行動を見ているだけでは≪本質≫は見えにくい。本日もその“蒸し返し裁判”の口頭弁論が開かれる模様だ。

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