ガラパゴス政党の100年

 私が第三文明の編集者、カメラマンとともに札幌市の高安知彦氏の自宅を取材で訪ねたのは2018年11月のことだった。すでにストーブがたかれる時期だったことを思い出す。高安氏は日本共産党が計画的に警察幹部を殺害した「白鳥事件」に関わった当事者の一人であり、当時88歳になっていた。当然ながら細部の記憶はすでに薄くなっていたが、それでも日本共産党の過去の犯罪を直接証明することのできる数少ない当事者の一人だった。いま振り返ると、ギリギリのタイミングでお邪魔することができたと感慨深く思い起こすことができる。

 取材内容それ自体は、それまでさまざまな書籍などで多くの人たちが指摘してきたものをなぞる範囲にすぎなかったかもしれないが、取材者としては、直接確認するというプロセスは不可欠の行程であり、作業だった。「歴史の真実」の証明に直接立ち会えたときの感動は、いまもって忘れることはできない。

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