集団免疫はすでにできているとの説

「新型コロナ 第二波はこない」という記事を最新号でメインにした月刊誌は当欄でもさんざんこきおろしている歴史修正主義の雑誌と目されてきた月刊『WiLL』だ。多くの人々がこの雑誌もここまで落ちたかいう感じで受け止めたが、読んでみると、まんざら胡散臭い主張ともいえない。免疫学の分野からの主張といえるが、実は日本社会ではすでに新型コロナに対する「集団免疫」のようなものはできていて、何もしないのが一番いいという論である。またアジアで死亡率が低いのは従来からのインフルエンザなどによる免疫がすでにできているからであり、欧米ではそれがないといった主張が見られる。この論を前提にすると、「集団免疫」ができている以上、新たに新型コロナに感染しても、重症化する人が少数で、現在、感染者数を毎日のようにテレビなどでとりざたしているのも、感染すること自体が問題ではないということになる。これは驚くべき論だ。これまで新型コロナに対する知見があまりになかったというものか。これが事実なら、学校を全国的に閉鎖したことも間違いだったし、緊急事態宣言を発したことも間違い、第2波が来ると戦々恐々とすることも間違いということになる。この説を唱える学識者が昨日、記者会見を開いているが、もしこの説が間違いであれば、私たちは指を詰めるとまでその古老の学者は述べていた。政府は緊急に科学的知見のもと、精査を行うべき問題であり、もしその説が正しいのであれば、すみやかに社会・経済活動を復活させるべきということになる。

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