新型肺炎で得をした存在

安倍晋三という政治家はほんとうに運がよいと感じる。今回の新型肺炎はまさに「神風」のようなものだろう。桜を見る会の疑惑や相次ぐ与党議員の逮捕など、窮地に陥る材料が盛りだくさんだったはずの通常国会の冒頭、突然に吹いた風にほかならなかったからだ。今回の新型肺炎は潜伏期間が2週間もあり、これから日本国内でも感染拡大が懸念される。いわば国家的、世界的な「緊急事態」だ。こうした特殊な時期に倒閣運動は尻すぼみになりかねない。しかも過去のサーズの場合でも終息までに8カ月かかったとされ、今回のコロナウイルスが東京オリンピックまでに収まらない可能性も指摘されている。危機管理がもっとも問われる事態にあって、野党は与党の協力体制に臨まざるをえなくなる。目前の東京オリンピックを成功裡に終わらせることが国全体の機運になっていくはずだ。「政局」が秋以降に移ったことは明らかだ。

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