反知性主義の権化

日本共産党のかつての合言葉は「万国の労働者団結せよ!」であった。具体的には「ソ連を先頭とする社会主義陣営、全世界の共産主義者、すべての人民大衆」が対象だった(1958年・61年綱領)。現在、同党のスローガンにそのような文字は一切見合たらない。かつては「ソ連邦と中国の強固な団結を中核として、全世界の平和擁護の民主勢力を結集」(1950年)とか、「社会主義陣営は世界人口の半分以上を占める平和地域」(61年綱領)などと勝ち誇っていた同党の“夢”は、ソ連崩壊ではかなく瓦解した。次の党大会で提案する綱領改定案では、「中国革命の偉大な勝利」(61年綱領)と持ち上げていた同じ政党が、再び中国政府を批判し、日本共産党だけが唯一残るまともな共産党であるかのように規定する。同党は、自分たちを「科学的社会主義」と称する。我が国では「反知性主義」の風潮が席巻して久しいが、この現象は右派のみにとどまらず、左翼もまったく同様だ。その象徴が日本共産党である。

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