地に堕ちた「不破哲三」の威信

日本共産党が来年1月に行う党大会で16年ぶりに綱領を改定する。その内容を見て、同党の理論的指導者である不破哲三元議長の威信が粉々に砕け散ったと受け止めた人は、かなりの事情通だ。なぜなら今回の綱領改定では、まず中国の動きをストレートに批判している。前回の綱領では中国を同じ社会主義国として仲間扱いしていたのに、今回は逆だ。90年代後半、関係を断絶していたこの国との交流再開を進めた張本人こそ、不破哲三元議長だ。要するに不破の行った過去の行為を、今回の党大会で「完全否定」することになる。また不破は南米のベネズエラの動きを手放しで翼賛した過去がある。それも今回の改定で払拭される。チャベス政権を持ち上げたがこの政権が失敗に終わると、今回の綱領で状況に合わせて該当箇所を削除するという動きだ。

要するに同党は、かつてはソ連を持ち上げ、失敗するとそれを批判し、中国を持ち上げ、失敗すると批判し、ベネズエラを持ち上げ、失敗すると削除するというように、間違いに間違いを重ねてきた過去の歴史を持つ。これらの理論のどこに「科学性」が存在するのか。間違いを誤魔化して生き続ける政党に、理論的な意味での「正当性」などあるわけもない。

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