「自己否定」の綱領改定を繰り返す日本共産党

政党の根本理念においてこれほどブレ続けた政党も珍しい。対外的には「ブレない政党」を演出し、多くの有権者および一部文化人などを見事に騙しているが、自らの理念においてこれほどにブレ続ける政党は稀有である。日本共産党が来年1月に党大会を行い、16年ぶりの綱領変更を行うというが、その内容は、今回も『自己否定』そのものの内容といえる。考えてもみればいい。この政党が立党以来、戦後までどのように主張していたか。社会主義・共産主義はバラ色であるかのように強弁し、ソ連と中国を天よりも高く持ち上げていた。その痕跡は当時の『アカハタ』に明白な証拠として無数に残されている。それがソ連の実態が明らかになると手の平を返し、さらにソ連が崩壊すると、逆にソ連を批判してきたのは日本共産党だけといった「逆転のプロパガンダ」に転向した。そして今回は中国である。平たくいえば、戦後あれほどバラ色の国として持ち上げたこの国を再び批判している。それは出自において「同類」にほかならない自分たちを、自ら否定する行為に等しい。だがその「不都合な真実」を有権者や党員の目から誤魔化すために、自分たちの党は日本という高度な資本主義国にある特殊な政党、つまり大きな可能性を秘めた「特別の共産党」と位置づけ、差別化を図っているにすぎない。要するに、状況に合わせて都合のよい言い逃れを延々と続けているカメレオンのような姿にほかならない。まともな判断能力をもつ者には、どこに「科学性」があるのか疑問にしか思えないだろう。結局のところ、ソ連も間違い、中国も間違い、であるならば日本共産党の描く未来像も間違いであることは明白だ。こんな「詐欺まがい政党」を中核に据える野党連合なる存在も、結局は単なるグロテスク集団にすぎなくなる。体内に致命的な「爆弾」を抱えているようなものだ。

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