公明党は一度野に下れ

公明党が連立与党に迎え入れられた1999年から数えてすでに26年、うち民主党政権の3年を差し引くと23年間、政権与党の中にいる。現在の同党所属国会議員の多くは野党時代(冷や飯期間)である民主党政権の2009~12年を経験していないから、実質的に「与党」時代しか知らないことになる。私も政党の機関紙局で3年ほど仕事をした中で、野党時代と与党時代を経験している。与党時代、特に自分の政党から総理大臣を出した時代は、中央官庁や関係機関への取材のしやすさは格段に向上したことを肌身で実感したものだった。同様に、与党議員と野党議員に対する中央省庁の対応も各段に異なることは言うまでもない。「与党」という恵まれた環境のみで生きてきた公明党議員に、「大衆とともに」という創立者の掲げた立党理念を自身の中に“血肉化”できていない者が出てきたとしても不思議ではない。現実にそうした事態も散見される。それらは若手・中堅議員の育成に責任を併せ持つはずの「党幹部」の責任であり、支援団体側の関わり方の問題とも関係する。いずれにせよ、恵まれた環境下だけにいても“本物の政治家”は生まれない。最も厳しい中で実際に政策実現を図れる「実力」を備えてこそ、“本物”といえる。現公明党は、機会があればいま一度、野党を経験すべき時期と感じる。

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