日本の本来の敵は「国家主義」

昨日都内で歴史家の保阪正康氏の講演会を初めて聞いて、感銘を受けたことが2つある。1つは参院選の結果だ。選挙の結果、4つの極が浮き彫りになったとして、国家主義、国民政党右派、国民政党左派、リベラルと具体的に述べた。それぞれ参政党、自民党、立憲を具体的に当てていたが(4つめのリベラルについては言及がなく社民や共産と思われる)、焦点はやはり参政党現象だった。同氏によると、従来の自民党勢力に含まれていた勢力が参政党という形で分離された格好になった旨を説明し、実際に今回の自民と参政あるいは日本保守党を足した比例票が、従来の自民党比例票(約2000数百万)とほぼ等しいと説明したことだ。2つめは、江戸時代から明治初期までの300年と、それ以降の日清戦争から1945年までの50年、さらに戦後の80年を俯瞰し、50年の時期は国策の誤りであり「間違った時代だった」と明確に総括したことだった。参政党などの国家主義政党はむしろこの「誤りの50年間」を美化するところに特徴がある。保阪氏は4つの極がはっきりしたことはむしろ歓迎すべきことで、最初のグループである国家主義グループをいかに無力化するかに、政党やその支持団体の戦いは向けられるべきとの示唆が含まれていたように感じた。本日付東京新聞(社会面)に簡単な記事が出ているが、いずれ同紙に詳報が出る予定。

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