「わが国の真の国難は石破首相であり、氏がその地位に居続けることだ」。本日付産経1面のコラムで冒頭そう書いたのは櫻井よしこ氏だ。日本会議の思想を信奉し“広告塔”の役割を果たしてきた同女の立場からすると、安倍政治と対極に位置するように見える石破首相が憎くてしょうがないらしい。だがおよそ冷静さを欠いた主張でしかないと思う。昨年10月の総選挙で自民党は確かに敗北したが、それは安倍派の裏金問題が響いた結果であり、すべてを石破首相の責任にすることは間違っている。その上で「少数与党」となった自公政権を公明党ともうまく調整しながらここまで2度も予算編成した結果は、厳然としている。予算を組めなければその時点で政権は崩壊していたからだ。問題は中長期の政治課題にどう取り組むかだ。石破首相の政策の柱である「防災大国」さらに「地方創生」をどう実のあるものにしていくか。防災庁の設置はすでに進行しているが、いずれも参院選を超えた先に、現実的な展望が生まれる。