電車内の「公共空間」まで汚染する反知性主義

東京・山手線に乗っていて、車内吊りで見慣れない広告が目についた。「週刊誌」の広告ならよく見るが、こちらは月刊誌である。月刊『WiLL』10月号の宣伝なのだが、そこには「南京大虐殺も慰安婦もみんなフェイクニュースだ」といった見出しも立っていて、驚いた。これまで新聞広告だけでも問題ありと思っていたが、こんどは「公共空間」にこうしたものが入り込んでくると、世も終わりという気がしてくる。南京大虐殺がフェイクニュースのはずはない。どのような理屈をこねくりまわそうとも、歴史的事実に鑑み、そうした見出しは成り立たないはずだ。まあ中国の言う犠牲者40万人はウソということだろうが、こんな言論がこの国で大手を振って歩く限り、中国からは歴史問題を利用され続けるだけである。

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