国葬儀とともに沈没する自民党

岸田首相は安倍元首相国葬問題でしくじったと多くの人が思っている。事件直後の海外からの弔意の多さと党内最大派閥に恩を売る機会になると考えた首相の「即決」は、その後の犯行背景と統一教会問題・自民党全体との底の深い関係が浮き彫りになるにつれ“最悪の一手”となった。もともと最長期間首相を務めたという国葬儀の理由にしても、長期間務めることができたのはウソを重ねたからであって、正直に振る舞っていれば、森友問題の時点ですでに失脚していたはずだ。おそらく安倍元首相は、戦後の歴代首相の中で最多の虚偽答弁を国会で行った人物として歴史に名を残すことになる。要するに「稀代の嘘つき宰相」としてだ。そうした不誠実な人物を国葬儀に付すことは、日本の有権者がウソつきを容認したことを意味し、日本国全体が「ウソつきの国」と他国から評価されても文句が言えなくなる。これは日本国民にとって不名誉なことだろう。死者に鞭打つなという声も聞こえてくるが、総理大臣は公人中の公人だ。しかも風評被害ではなく、自ら行った行動に多くの人から疑念をもたれ、指摘されている姿にすぎない。日本は「ウソつき」の政治家を持ち上げるおめでたい国になってしまった。

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