宮本顕治の神格化が進む日本共産党

あらためて志位委員長の党創立100周年記念演説を読んでみたが、想定の範囲内だった。特徴としては宮本顕治元議長の神格化がより一層進んだという印象だ。それにより、現在の日本共産党の無謬性を固めようという意図が浮き彫りになる。1950年の党分裂の状況にも言及があるものの、悪いのはどこまでもソ連・中国の介入に賛同した徳田・野坂一派であり、宮本顕治の行動はどこまでも「正義」として強調される。だが事実関係は大きく異なる。実際に最初にソ連・中国の介入に真っ先に賛成するように主張したのは宮本本人だったからだ。これが歴史の真実である。だからこそ宮本らは「国際派」という名称で呼ばれた。一方の野坂らは平和路線を志向したので、自らの所感を発表してソ連・中国に当初は異論を唱えた。それが歴史の真実である。だからこそ野坂らは「所感派」と呼ばれた。要するに、日本共産党は党の歴史を公然と正反対に描くことで、いまの宮本路線につながる現首脳を肯定しているにすぎない。こんな改ざんされた歴史に付き従う党員が哀れだ。私はデマが大嫌いである。

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