日本会議勢力による「保守本流」批判

宏池会はかつて自民党の保守本流といわれた。本流ではない傍流が自民党総裁の椅子をとってからは傍流が「我こそ本流」という態度をあからさまにしてきたのがこの10年近くの特徴だ。その典型が岸田内閣の発足に伴う宏池会攻撃として現れている。実際、宏池会攻撃は傍流の中心であった日本会議勢力によっておこなわれている。先日も日本会議の会長がその肩書きを示さずに産経新聞「正論」で宏池会批判を行っていたことに加え、「週刊新潮」最新号でも、日本会議のマスコットで安倍シンパの最右翼である櫻井よしこが次のように書いている。

「現実を見ないで虚構の平和に縋るのが宏池会の伝統」

「宏池会の軍事忌避の打破こそが公約実現の基盤」

後者の言葉は、岸田新首相に対する檄文のようなものだが、どこまでも進軍ラッパを吹くかのように「勇壮」であることがいつもながらの特徴だ。そこに日本の政治が戦後どのような体制のもとで平和を守ってきたのかといった熟慮された考察は見られない。

保守傍流(いうなれば極右)が増殖した日本の政界と社会。「保守本流」の時代が待望される。

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