国家転覆政党に無自覚な人びと

日刊ゲンダイという夕刊紙で小林節という人が立憲の枝野代表が共産党が閣内に入ることはないと発言した問題を痛烈批判していた。日本共産党に頼らないで、どうして政権交代が現実味を増すのかという正論めいた意見だったが、このように共産主義政党の実態に無自覚な知識人がこの国は今も数多く存在する。共産主義の理想を実現可能と宗教的意味で信じていた時代ならまだしも、いまだにこのような感覚が蔓延しているのは、この国特有の現象としか思われない。

結論からいえば、共産主義は「間違った宗教」であり、人びとを幸福にする宗教ではない。その実験証明をしてきたのが20世紀の延々たる歴史だったともいえる。現在の日本の政治状況からいえば、野党各党は安倍政治よりも共産党の入った政治のほうがマシと考えている。保身のために公文書改ざんを命じるような安倍政治の劣悪ぶりには個人的には強い憤慨をもつが、それでも共産主義政党が政権を奪取した政治状況を想像する限り、まだいまのほうがマシだ、というのが当方の見解である。なぜならそこには「自由」が形の上では担保されているからだ。日本共産党が政権に入るということは、いまの香港のような状況に道を開くに等しい。歴史を踏まえて考えれば、そのことはあまりに明らかである。

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