デマがおよぼす悪影響の社会

毎日新聞が「陰謀論」の企画を続けている。陰謀論とは平たく言えば、荒唐無稽なデマのことだ。これに騙される人びとが増えている現実がある。もともとは海外から入ってきている現象とされる。その最たる例が4年間の任期中、3万回もデマを発信したとされるトランプ大統領で、時の政治指導者がウソを常習的なものにしてしまったツケが現在に及んでいる。ウソは戦争の入り口、暴力の入り口といった言葉がある。社会をダメにする最たる原因だ。アメリカ社会でそれが許された結果、人びとは何を信じていいかわからなくなっている。要するに、何が真実か見えない社会となってしまった。そうした土壌ができてしまうと、デマで人びとを惑わすような存在が跋扈し始める。日本にも「トランプ氏は実際は大統領選挙に勝った」などの荒唐無稽なデマが入ってきて、それらを拡散させた日本の文化人や言論人は、その総括すらきちんとして行っていない。“デマの言いっ放し”という状態だ。いまも、「コロナは実際は存在しない」とか、「ワクチンを打って多くの人が死んだ」などの海外発のデマが日本国内にも影響を与えている。トランプ氏とは別に、ウソの土壌を日本国内で増殖させたのは、まぎれもなく安倍前首相だ。トランプと安倍前首相は、その意味では「似たもの」同士に見える。

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