取材記者と役人の関係

東京新聞の社会部記者が厚生労働省を取材した際、机を叩いたりして威嚇行為を行い、取材現場から外されたという記事が出ていた。理由はアベノマスクの単価などを情報公開請求したが開示されず、担当職員に取材した際に、行き過ぎた行為があったらしい。記者の立場で考えれば、国民の知る権利を行使してもうまくいかず、取材対象に不満をぶつけたということであろうが、記事には当該記者の言い分は何も出ていない。特に相手に直接的暴力行為を働いたわけでもなさそうだし、せいぜい威圧行為があったということだろう。さらに4時間近く取材し、相手の業務を妨害したとあるが、これは厚生労働省側の言い分であり、記者の言い分はないので、真相がよくわからない。

私も政党機関紙の記者をしたことがあるので、中央省庁の取材はある程度想像ができる。役人の利益と記者の利益は必ずしも同じではないので、齟齬が生じると、記者がイライラすることがあるのは別に不思議ではない。行政が隠したいものを、むしろぜひともつかもうとして起こしている行為であれば、かなりグレーな内容だ。記者に一方的に責任を押し付けるのが正しいのか、判断するための基礎材料が、この記事だけからは読み取れない。

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