本日付の日本経済新聞は政治面で安倍前首相のインタビューを掲載した。辞任後だから語ることができるようになった裏話も随所に盛り込まれている。だがやはり疑問を抱かざるをえないのは、モリカケについて記者から質問されて「政権に何の違法行為もなかったのは明らか」などと強弁している事実だ。さらに公文書改ざん問題についても、「私自身に関わる違法性はなかった」などと開き直っている。いうまでもなく、公文書改ざんでは役人が一人亡くなっている。そのことへの気配りは見られず、「自分は正当」と言いつのっているだけだ。
国家のトップリーダーとして、一人の命を慮ることすらできない人物が、それ以上の人間を包み込むことができるだろうか。日本の政治家の根底の意識レベルを可視化した点で、このインタビューは歴史的なものだ。