公明党の元市議会議員で、日本共産党のチラシを研究している人がいる。東京・日野市議会議員を長くつとめた夏井明男さんで、論創社という出版社から書籍も出している。政党のチラシは自党の宣伝手段の一つなので勢いその内容はプロパガンダの傾向を帯びることは各党に共通することと思われるが、日本共産党の場合は、その特徴が顕著だ。
自分たちを立派に、また他党が極めて貧相で悪徳に映るようにチラシに書き込むことが重要だ。その手法はレーニンの時代から何ら変わらず、そうした「印象操作」によって得票を稼ぐ。日本共産党は党員が高齢化し、年々目減りにしているにもかかわらず、それでも一定の得票を叩き出すのは、こうした≪印象操作手法の成功≫によるものだ。
目的はどこまでも「印象操作」にあるため、その内容はウソに近いものであっても、あるいはまったくのウソでも一向に構わない。上記の夏井元市議は、まったくのウソで自身が攻撃された体験を著書に記している。日本共産党がハイエナ体質と呼ばれる実績泥棒の体質を持つことはよく知られるが、同党にはまともな実績と呼ばれるものがほとんどないので、勢い、虚偽宣伝や誇張宣伝がはびこる結果となるというわけだ。
目的のためには手段を選ばない――というのが彼らの信条のようだ。
戦後、共産主義の理想は大きく瓦解した。共産主義によって幸せになった国家などほとんど存在しない。それでも日本を共産主義国に変えることを夢想する政党が、日本にはいまだに存在する。
安倍政権に「大日本帝国バンザイ」の思想を持つ者が多く混じっている事実はすでに知られるが、それを批判する側の日本共産党も、体質的に根強い「一党独裁」のDNAをもつ。公明党はその一方の側にあって、極端を排する緩衝材の役割に徹すべきだと思う。