足軽会4人組の思惑(下)

警察署での任意の取り調べは2度にわたり行われた。極めて好意的な対応で、なぜこの事件が刑事だけで行われているのか、疑問に思うというようなことを刑事自身が口にするくらいだった。通常、名誉棄損罪が成立するほどの案件であれば、民事裁判でも同時に訴訟を起こすのが普通であるからだ。だが民事であれば、事実関係を厳密に調べられることになる。その結果、カルトと論評された前提事実を判決において認定されれば、「カルトといわれても仕方がない」との判断が下る可能性があり、そうなると逆に「裁判所認定のカルト」になってしまうおそれが十分にあった。そうした事態をあえて回避するために、刑事告訴のみの手段をとったものと私は推測している。 いずれにせよ、刑事告訴という手段すらも、彼らにとっては「不発」に終わった。自分たちにとって都合の悪い言論を封じ込めたいとの意図だったと思われる。ちなみに告訴状に記載されていた4人のうち元職員3人の職業欄には「フリーライター」と記載されていて、苦笑した。当時彼らは仕事もせずにいたことが支援者の中からも疑問視する声が出ていたが、フリーライターという職業をだれでも名乗れるという意味では、同じ職業を続けてきた者からすると、かなり複雑な心境になったからである。

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