組織政党800万票台のカベ

日本共産党は公明党と同じく「組織政党」と形容されることが多いが、公明党と多少異なると思われる点は、公明党よりも風を受けやすいということだろう。たとえば共産党が全国比例票で最高の峰を達成したのは98年の参院選挙で819万票を叩き出したときだが、これは同じ革新陣営の範疇にいた日本社会党が96年に社民党へと党名変更し、自社さきがけ連立内閣において革新政党としての存在意義を失い、社民党に替わる受け皿として共産党が「漁夫の利」を得たことによる一時的な現象だった。さらに民主党政権が崩壊したときも同様で、それまでの民主党票の受け皿となって一時的に共産党が躍進した時期がある。一方、公明党の国政選挙における過去最高票は、2005年の衆院選における895万票で、参院選では2004年の862万票が最高の峰となっている。ただし公明党のこれらの票数には選挙協力による見返りとしての自民支持票もまじっていると思われるので、やや割り引いて考えるべきものだ。いずれにせよ、日本の政党の中で組織政党と評されることの多い公明・共産両党の最高得票数が、時期はやや異なるにせよ、800万票台で共通している点は興味深い現象に思える。

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