産経新聞の煽情的なプロパガンダ

産経新聞に時折掲載される「月刊Hanada」の全面雑誌広告を目にすると、まるで戦中に舞い戻ったような感覚に襲われる。もっとも戦中を知らない私は、過去の著名雑誌のバックナンバーを繰ってそれらの紙面を見た印象で語っているわけだが、一言でいえば一方的なプロパガンダの類いから受ける顕著な印象というほかない。最近の1月18日付産経紙面に大々的に掲載された「月刊Hanada」の広告には以下のような記事が目につく。たとえば渡部昇一氏の「反日日本人を国家侮辱罪に問え」というタイトルでは、「反日日本人」はかつての戦争の「非国民」をそのまま想起させる。また「世界一の『性奴隷大国』韓国」という見出しは、他国への品性を欠いており、相手を侮蔑することを明らかにする言葉だ。近隣友好の姿勢ではなく、あなたたちは敵だからケンカしますよという明らかな姿勢である。「安倍総理に教えます 韓国の無法とこう戦え」は、時の総理大臣に指南するという傲岸不遜、夜郎自大の同誌の体質を象徴するようなタイトルそのままだ。これらは「月刊Hanada」の体質を象徴したものだ。 何年後か何十年後かわからないが、後世の人びとがこれらの広告内容を見てどう思うだろうか。冷静さを失い、まるで戦争中とみまがうような一方的なプロパガンダがはびこり、許された時代があったと振り返るだけではなかろうか。 同誌の花田編集長はこれまで何度も雑誌をつぶし、この右派路線によってのみ一時的な成功をおさめている人物だが、内容的に普遍性をもった仕事にはとうてい思えない。

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