科学性のない政党

1919年3月、モスクワでコミンテルン(世界共産党)が創設された。明年で100周年の節目を迎える。この組織は共産主義を世界に流布するための世界政党として創設され、日本共産党はそれから3年後、コミンテルン日本支部として結成された存在にほかならない。だがコミンテルンの試みは瓦解。1943年に組織は消滅する。

創設当初の会合には21カ国35組織を代表する52人の代表が出席したとされるが、その実態は、たまたまモスクワに滞在していた社会主義者を出身国代表として出席させたにすぎなかった。ほんとうの意味で国家の共産主義政党の代表といえたのは、政権党であるロシア共産党と、ドイツ共産党くらいのものだったとされる。

そのようにして始まった国際共産主義運動は、統計上の数字によれば、1988年にピークを迎え、世界108党組織に9055万人の共産主義者を数えていたが、89年の東欧革命とその後のソ連崩壊によって、挫折に終わった。

いま、日本共産党は「科学的社会主義」なるものを標榜し、独自の路線を歩んでいるつもりのようだが、もともとの世界的計画は完全に崩壊し、いまや孤立無援の状態に置かれている。

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