共産党から閣僚をと期待するアンバランスな識者

自分でいうのも変だが、私は20年以上の熱心な赤旗購読者である。この新聞に登場する学識者は、一つのリトマス試験紙のような役割を果たす。例えば安倍政権を痛烈批判するかたわら、野党共闘で政権を奪取し共産党から閣僚を出してほしいなどと述べている識者を見ると、そのバランス感覚を大きく疑われる結果となるからだ。

一方ではファシズム政治と批判しながら、一方で独裁主義政党には支援的言辞を送る。これが半世紀以上も前の論壇であればそれはそれで仕方ないだろうとも納得できるが、すでに共産主義の実験が悲惨な結末を得て、その実証は世界のどこにでも転がっている現代にもかかわらず、このような発言をする人物を目にすると、率直に驚きを感じる。あたかもかつてのドイツで、ナチスの台頭に無防備だった学識者らとも通底するものを感じるからだ。共産主義政党の政権入りを望む人間に、そもそも「保守」を名乗る資格などあるのだろうか。

 

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