15年以上も前、良心の呵責を持たない異常人格の類型とされる「サイコパス」について、取材し、執筆する機会があった。そのときはこういう類型化された人間もいるのだろうなという感覚でしかなかったが、実際は自分の身の周りにも明確に存在することを今は実感している。サイコパスは後先考えないで行動する。また事の善悪でなく、勝つか負けるかを優先するので、事の善悪よりも先に相手に勝とうとして、常識ある人間とは異なった価値基準で行動する。
また多くの人間をいいように巻き込むのも特徴だ。サイコパスには特異な「才能」が宿っている。ただし良心の呵責なき人格が、その才能を全く誤った方向に使わせるため、社会に大きな問題を引き起こすともいえよう。
こうした手合いとは、正面からぶつからないこと。サラリとかわすための技術が必要になる。これらの分野の研究はこれからと思われるが、皆さんの周りにも、どうしてこのような非常識な行動をとるのかと考えさせられるパーソナリティーの持ち主が必ずいるはずだ。日本社会においても100人のうち数人は該当すると思われる。