人間を不幸にする「共産政党」がまかり通る国

本日付の「しんぶん赤旗」1面のコラムで、アカ批判が時代錯誤のように批判されていた。「反共は戦争前夜の声」であり、「市民レベルでは『共産党排除』の壁は過去のものとなりつつあります」などと主張している。おいおいと思うのは私だけだろうか。共産党関係者もしばしば訪れる平和の国コスタリカは文字通り「反共の国」である。軍隊を廃止した国として知られるが、この国はまさか戦争前夜とでも言うのだろうか。いまや共産党は世界の絶滅危惧種であり、先進国で元気なのは日本だけという特異現象が現実の姿だ。

中米、欧州でも社会民主主義政党が強いため、全体主義・独裁主義を必然的に伴う共産主義政党はいまやまともに相手にされていない。日本で共産党が強いのは、ひとつは社会民主主義政党が広く定着していないためであり、さまざまな社会問題にかこつけて党勢拡大に利用する共産党の蓄積された手法が他党より優位にあるからにすぎない。いまは沖縄がその典型例だろう。

「反共は戦争前夜の声」と述べたのは京都府知事の蜷川虎三ということになっているが、今となれば時代錯誤もはなはだしい。当時は社会主義の実験は終わっておらず、共産主義ユートピアが信じられた時代だった。だが現在は時代相がまったく異なる。冒頭のような主張を日本共産党が1面コラムで堂々と主張できるほど、日本の政治状況は世界の中から取り残されたガラパゴス状態にある。政治研究者にとっては格好のテーマかもしれない。

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