昨日(1月31日)付の毎日新聞夕刊の特集ワイド欄で、「儒教バッシングの愚」という記事が掲載されていた。やや遅すぎる感もあるが、このような正論が新聞紙上に大きく掲載されることは珍しい。
記事では講談社発行のケント・ギルバート著『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』がベストセラーになったものの、ナンセンスな主張にほかならないことを学者のコメントを使って主張している。その上で、「事実としても、論理としても成り立たない。でもそんな言説が喜ばれる」と、現代の世相をそのまま記述している。
ここ数年、嫌中嫌韓本が当たり前のようになり、おどろおどろしい右派アジテーション雑誌の新聞広告にも免疫ができたのか、違和感を覚えなくなっている。いずれも近隣の他民族をこきおろし、自分たちの民族性がいかにすぐれているかを主張する類いのものばかりで、私は事実に基づかず、感情的なうっぷん晴らしにすぎないという意味で、「うっぷん教」と呼んでいる。そんな「うっぷん教」の信者が、現代の日本社会では増殖蔓延中だ。
毎日新聞の記事を書いたのは吉井理記記者だが、このような仕事は率直に評価したい。どんどん掲載すべきだ。