死活的なコメ不足

農水省の発信する情報を鵜呑みにしてはいけない。そういう状況が日々進行しているようだ。同省は当初、コメの作出自体は問題ないと発信してきたが、実態はまったく逆と指摘する専門家が複数いる。長年の減反政策で農家の意欲が落ちてきたことはよく言われることだが、兼業農家で支えるしか道がない農家で食べていけないレベルの仕組みを強要してきたのがこれまでの農政だったとする。そこにきて少子高齢化の流れと相まって担い手不足が急速に進行している現状で、この問題は一時的にコメ不足が生じているという偶然の賜物ではなく、慢性的なコメ不足が始まる“予兆”にすぎない必然の現象とする捉え方である。つまるところ、対症療法で解決できる問題ではなく、精緻な現状究明と抜本的な中長期対策を練り上げて打ち出していく必要がある。石破政権にとっては安倍政権や岸田政権で将来を見越して手当てしておくべきだった政策不備のあおりを受けた状態で気の毒な気もするが、同首相は農政族でもあったはずで、この国の食糧安全保障の腰を据えた取り組みが必要になるものと感じる。

特集ワイド:2040年、恐怖の未来予想図 米が食べられなくなる日 落ち続ける生産力 「ミサイル買ってる場合か」 | 毎日新聞

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