本日付毎日1面でエマニュエル・トッド氏が世界の現状分析と方向性について語っている。一言でまとめると米国は「盟主」の座を降り国家の分断化が進むため「各国は自力で自国を守らなければならな」くなり、「日本は将来の核武装を視野に入れる」必要があるという内容だ。戦後、米国の軍事的庇護の下で生きてきた日本が、一人立ちする事態に備えよというのだから、単純に考えられる方法は2つしかない。一つはトッド氏が言うように独自で国を防衛する方向であり、もう一つは集団安全保障の考え方だ。その場合、アジア版NATOや国連軍創設がその具体的な形となるのだろう。前者は日本の軍備増強を今以上に要求するけっして好ましい方向ではない。ましてや核武装など、唯一の戦争被爆国の立場からすれば、もってのほかだ。となれば、主たる方向性は後者にしかない。現在のトランプ帝国出現を、「国連」を軸とした世界協調、集団安全保障の方向性への転換のチャンスととらえる方向性が最善と考える。