大阪財務局職員、赤木俊夫さんが亡くなって7年となる朝だ。2018年3月7日のことだった。第2次安倍政権は2016年をピークに、2017年から“下り坂”に入る。森友・加計学園問題がすっぱ抜かれのがこの年で、安倍首相は2月17日の国会答弁でもし自分や妻が関わっていたら「総理も議員も辞める」とタンカを切って、職員自死の遠因をつくった。森友・加計問題で窮地に追いやられた首相は同年9月、衆院解散して問題払拭を画策した。選挙では小池百合子旋風を危ういところで跳ね返し、勝利したが、問題は収まらなかった。翌年、財務省の公文書改ざんが発覚したからだ。もし安倍首相が2017年2月段階で首相を辞任していたら、職員の自死には結びつかなかったと思われる。「安倍一強」という究極の国家権力に忖度した役人たちが、自らの本分を忘れ、保身に走って文書改さんを部下に命じた事件。大阪地検特捜部は2018年5月、文書改ざんに関わった38人全員を不起訴にした。安倍首相はこの間、2017年から18年にかけて国会で139回の虚偽答弁を行ったとされる。すべてが「安倍一強」に忖度する状況だった。2020年、安倍政権は検察庁法改正を企て、自らに忖度する人物を検察のトップである検事総長に異例の形で引き上げようとした。だがこの邪悪な企みは、日本社会の民衆の抵抗で潰されるに至る。第2次安倍政権の後半は、ほとんどが汚濁まみれの歴史だ。石破内閣はこんな政治を二度と繰り返してはならない。