本日付読売新聞国際面の「ハリス氏 アラブ票失う」という大見出しを見て、米民主党と日本の自民党の共通性を想起した。アメリカ大統領選で大きな隠れ争点となったのが中東イスラエルのジェノサイドにどう対処するかだった。この点で米民主党はまったくの無策ぶりを発揮し、アラブ票・若者票を大きく失ったとされるのがハリス陣営だ。仮にハリス氏が「大統領になったらイスラエルへの軍事援助を止める」くらい言っていれば結果は変わった可能性がある旨の専門家のXを目にした。政治家として空気を読む力、果断に政策を実行する力に欠けていたというほかない。所詮は大統領の器ではなかったのだろう。逆にトランプ陣営からみれば完全な「敵失」だった。先の日本の総選挙もこれと似た面がある。自民党の非公認候補者に対する2000万円支給問題が選挙直前に暴かれ、与党の自民と公明が甚大な影響を受けた問題だ。これは野党側からみれば明らかに自民側の「敵失」だった。小泉進次郎選挙対策委員長はこの2000万円支給を事前に聞かされておらず、本人がテレビで憤慨する様子が映っていた。自民党の事務方と幹事長(あるいは総裁)くらいで決めたことだったようだ。ともあれ冒頭に戻ると、トランプが勝利したわけではなく、米民主党が負けたというほうが実態にかなう。米民主党の「敵失」により、刑務所に入るべきだった人間が再び大統領になるわけだ。