安倍晋三が最も恐れた(嫌った)男が首相に就任する。石破茂氏は相当なタカ派と見られた時代もあるが、安倍政治の歴史改ざんが平気な感覚に比べると、かなりまっとうな見識だ。「穏健保守」「保守本流」という言葉がそのまま該当する。石破内閣で何をなすかは、本日の公明党大会での石破新総裁の発言や、さらには月曜日に予定される自公の政策合意の内容によってかなり明らかになるはずだ。これまで安倍政治ではまったく手つかずの状態にあったさまざまな人権案件、たとえば選択的夫婦別姓にも象徴されるが、さまざまな時代に取り残された問題を着実に前に進めることが重要になる。その過程で、この間、安倍政治を擁護することでビジネス上の利益を得てきた歴史修正主義を特質とするWiLLやHanadaなどの「右派論壇誌」や、ネットメディアの攻撃を受けることは避けられない。だが、石破新総裁の「勇気と真心を持って真実を語ろう」との呼びかけの言葉は、安倍政治への真っ向からのアンチテーゼとして胸に迫るものがあった。時代は明確に〝変革期〟へと入っている。