真逆の2人には実は大きな共通点がある。それは歴史を平気で改竄する体質を色濃くもつことだ。安倍晋三元首相が過去の旧日本軍の加害行為について、特に日本軍慰安婦の問題で顕著な歴史改ざんを行おうとしたことに対し、その行為を最も正しく批判した一人は志位和夫議長だった。だが日本共産党は旧日本軍の歴史改ざんには熱心に批判する一方で、自らの政党の歴史を正当に見ることができない矛盾した体質をもつ。近年も「民主集中制は外国由来のものではない」とか、古くは「51年綱領は正規の綱領ではない」などの大うそを平気で主張してきた。民主集中制は日本共産党を生み落とした“母胎”であるロシア共産党がもたらした事実は明白だし、暴力を肯定した「51年綱領」が1951年から数年にわたり同党の行動の基盤となった「正規の綱領」であった事実は歴史的に動かない。つまり、日本共産党は外側に向かっては歴史改ざんを批判するものの、内側に対してはむしろ積極的に同じ行為を行う矛盾した存在だ。言っていることとやっていることが違う。同党にはこの矛盾がどこまでもつきまとう。