空手の源流は日中交流の産物

私の仕事で空手は3本柱の一つとなっている。以前、ある沖縄空手家の評伝を書くために稲嶺恵一元沖縄知事を取材する機会があった。元知事は任期中に福建省の責任者(当時)であった習近平総書記と会見している。その写真が執務室にも展示されてあった。沖縄から最も近く文化的に関係が深いのは中国の中でも福建省で、古くから交流があり、空手は福建省(福州・泉州)を中心に幾重にも時代を超えて琉球王国にもたらされた中国武術が沖縄化された源流武術の末裔といえる。重要なことは沖縄の空手の原型は中国武術だけでなく、江戸時代の日本武術の影響も強く受けたことである。特に首里士族を中心とした首里手はその影響が濃厚で、そのため世界に名を知られるKARATEは、日本と中国の「共同文化の結晶」と言い替えても過言ではない。まして現在の中国トップは、福建省勤務時代が長く、その意味で沖縄空手は外交の要素として十分に活用できる可能性があるものだ。おそらく沖縄の関係者も、そのような観点で空手が活用されるのなら、アジアの平和のために協力を惜しまないと感じている。

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