歴史修正主義は左右共通の現象

関東大震災から100年をすぎて当時の日本人による在日朝鮮・中国人虐殺の史料が政府内にないと発言した官房長官の発言は記憶に新しい。これらは南京虐殺はなかった、従軍慰安婦は売春婦にすぎなかったと主張する靖国派、近年の象徴は安倍晋三元首相を筆頭とする日本会議勢力などの「歴史改竄」と完全に通底するものだ。要するに「日本は悪くない」との事実を踏まえない勝手な心情が元になった人間の行動にほかならない。だがこうした行動は右派だけに限られるものではない。同じ人間がすること、左側の象徴である日本共産党にも顕著に見られる。過去に同党が暴力主義綱領のもとで行った火炎瓶闘争や警察官虐殺。これらの行為について現在の同党は、あれは分裂していた分派が起こしたもので、いまの党と関係ないと主張するが、事実関係には明らかに意図的な誤魔化しがある。あの一連の行動が行われた1951年後半から52年にかけての時期。実際は分裂した同党は形の上では統一され、一方の分派が起こしたとはいえない状況にあった。また当時の行動主体は党主流派であり、多数派が主導した行動であったため、彼らはけっして「分派」といえる存在ではなかった。要するに、現在の岸田政権による関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺に対する行動は、日本共産党にとっての過去の集団的暴力活動に対する関係と、まったく変わるところがない。自らに都合の悪い過去の史実を《隠蔽・歪曲・正当化》する卑劣ともいえる行動は、左右ともにまったく同一に見える。

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