2年3カ月前に出した「100年本」

私の日本共産党との関わりは1997年にフリーランスになって以降のことだ。その前の3年間、社会新報という媒体で政党機関紙の記者をしていたが、革新系団体などの取材に行った際、日共系か社会党系かという微妙な温度の違いをよく認識しないまま取材していたように思う。一転、フリーランスになってからある媒体で共産党特集を行うことになり、そこから党中央機関紙「赤旗」を購読するようになった(すでに「しんぶん赤旗」だったかもしれない)。当初は同党の主張をかなり鵜呑みにしていて、その偽善的な部分にいい意味で影響されていたが、その裏側にある本質的な部分に目を見開くようになるのは、取材を広げれば広げるほど深めれば深めるほどに必然的な流れだった。特に近年、月刊誌「第三文明」で同党の歴史について取材するようになると、その感は一層深まった。2020年4月、書籍『ガラパゴス政党 日本共産党の100年』(論創社)にまとめて出版した際は、時期的にはまだ同党創立98周年の3カ月前というタイミングだった。だがこの時期にあえて「100年」という数字を冠する単行本を出せたことは思わぬ効果を呼ぶ。多くの人たちが同党の100年について論じる書物を発刊したからだ。この本の影響があったかどうかわからないが、同党の表面的な部分でなく、本質的な部分がより広く知られる契機となったことはよかったと思っている。

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